「……急にこんなこと言われても困るよね、ごめん。今までこんな話誰にもしたことないんだけど……アサちゃんには、なんでも話したくなっちゃうな。」
ナギくんは泣きそうな顔で笑う。
なんでもないように話しているけど、時々声が震えていて、まるで迷子の子供のようで、なんでかわからないけど放っておけなかった。
「………前から思ってたけど、ナギくん謝りすぎだよ。」
「……え?」
「この間もそう!追いかけられたのはナギくんのせいじゃないのにすごく気にしてたでしょ!そりゃあ私も結構ビックリしたけど……ご家族のことだって、辛いことがあったら誰だって話を聞いてもらいたくなるものだよ。今までずっと1人で耐えてきたんだから……私、大したことはできないけど、話を聞くことくらいならできるから、いつでも話してよ。」
「………ありがとう。」
「うん、ごめんよりそっちの方が嬉しい。」
ナギくんはちょっと涙目になってたのを恥ずかしそうに隠して、何度もお礼を言って帰って行った。
