「……僕の親、転勤族ってやつで、昔からたくさん引越しとかしてたんだよね。」
「そうなんだ……」
「それで、仲良くなった友達もすぐに離れちゃって、それが悲しくてずっと嫌だった。でも言えなかったんだ。」
「…………」
「前にいた学校、今までで1番長くいたんだ。もしかしたらこれが最後なのかもしれないって、たくさん友達作って、そこでサッカーも頑張って……全国大会まで行けるようになったんだよ。」
「す、すごい……」
「でもそんなある日、急にまた転勤するって言われて、頭が真っ白になったよ。初めて親に抗議した。すごく粘ったし友達も話してくれたんだ。…………でも、ダメだった。それで、この学校に来てからはほとんど親と話してない。家にもいたくなくて、できるだけ長く働けるバイト探してたら……ここがあったんだ。」
「……そっか。」
