私は2人の背中が見えなくなるまで、その場に立ち尽くしていた。
これからやることはもう決まっている。
ずっと前から決めていたことだ。
心を奮い立たせ、震える足をなんとか動かす。試験の日も、こんなに緊張はしなかっただろう。
お兄ちゃんはまだ校門あたりにいるだろうか。少し早足になりながら校門へむかう。
それが良くなかったのだろう、階段を駆け下りていると、目の前に固いものがぶつかった。
「あ、ごめんなさい…!」
「ごめん…っ、てあれ、アサちゃん?」
「ナギくん…?」
視線を上へ移すと、目の前には見慣れた顔があった。
ナギくんも急いでいた様子で、額が少し汗ばんでいる。
「良かった…!君のこと、探してたんだ。」
「え、私!?」
「うん、少しだけ時間いいかな?」
