ずっとそう思っていたのに、つい欲張ってしまった。同じクラスになれたからだろうか。調子に乗ってた。
あいつの前で、少しだけ、意地を張るのをやめてみた。
その少しの変化だけで、我慢できなくなってしまった。距離が縮まったと勘違いしてしまったんだ。
だから、アサがオレといる時にもずっとヨルのことを考えてると知って、ついムキになってしまった。
勝手に気持ち押し付けて、一人で騒いで、こんなにダサいことねえよな。
だから、オレを振ったのは正解だったよ。
こんな男、きっとお前には相応しくなかったんだ。
思っていたよりずっと、あっさりと終わってしまった恋だった。
振り返ってみると、人生の大半こいつを好きだったのかと思って驚く。初恋は実らないってガチなんだな。
しかし、涙なんて出ないし、今更縋ろうとも思わない。そりゃずっとそばに居たいって、思ってたけど。
自分で関係を壊しておいて、友達になりたいってのも虫がいい話だろ。でも、お人好しなあいつはきっとそれすらも受け入れるんだろうな。
「あーあ…」
アサが許してくれるなら、オレたち、今度は本当の友達になれるかな。
