溺愛サバイバル!?


そうして集中していたからだろうか、目の前まで人が来ていることに気づくことが出来なかった。


「…いつまでここにいるんだよ。」


寒そうに鼻の先を赤らめ、こちらを見下ろしたハルマが立っていた。


「なんで…帰ったんじゃないの?」

「別に、忘れ物があっただけだ。」

「あ、忘れ物…」


まだ私と話してくれるのかと勘違いしてしまうところだった。今は私と会うことすら嫌だろう。早く要件を済ませてあげなきゃ。
忘れ物を探すために周りを見渡すが、めぼしい物は特になかった。


「あれ、忘れ物ないかも。どこかに落としたり…」

「ない、忘れ物なんてない。」

「え?」