その言葉を聞いて固まってしまう。なんて答えればいいんだろう。


「ハルマのこと、好きだよ。友達として、本当に…」


そこまで言って、ハルマの顔を見てハッとする。諦めたような、悲しくも見える表情。
私はそれ以上言葉を紡ぐことが出来なかった。


長い沈黙の後、口火を切ったのはハルマだった。


「…もう暗いな、帰ろう。」


私が返事に迷っているうちに、ハルマはすぐに立って歩き始めていた。
私と話すことはもうないということだろうか。


少しでも動いたら我慢していたものが溢れてしまいそうで、私は動くことが出来なかった。


それから何分経っただろうか、私は未だにベンチから動くことが出来ず、さっきの会話を頭の中で何度も思い出していた。
何がいけなかったんだろう。どう伝えればよかったんだろう。浮かぶのは後悔ばかりで、一向に頭の中を整理することが出来ない。