あまり良い働きをしない私の頭で辿り着いた結果は、人目がない場所まで気づかれないようにハルマの後ろを着いていくことだった。
ストーカーみたいな真似をするのは気が引けたが、これ以外に良い案は思いつかなかった。
校門を出てから10分は経っただろうか。同じ制服を着た学生はほぼ見かけなくなってきて、話しかけるなら今がチャンスだろう。
後ろから肩を叩いて、面と向かって話すだけ。それだけだって分かっているのに、足が前に進まない。
1歩が踏み出せなくてウジウジとしていると、不意にハルマが大きなため息をつき、振り返った。
「…用あんなら早く話せよ。」
「えっ!?気づいてたの?」
「当たり前だろ…あんな下手くそな尾行、誰だって気づく。」
呆れたように再びため息をつき、そのまま歩き続けてしまう。
