そう聞かれることは予測できていたが、いざ面と向かって言われると身体が強ばってしまう。
ハルマと真剣に向き合うのなら、私の気持ちをハッキリとさせておくのは当然のことだ。


「私は…」


ハルマとはずっと昔から一緒にいた。
嫌なことも楽しいこともたくさんあって、私たちの思い出を一言で表すことは到底できない。


きっと自分でも気づかないうちに、ハルマは私にとって大切な存在になっていたんだと思う。


「私は、ハルマのこと好きだよ。
でもそれは、ハルマと同じ好きじゃないと思うの。
…友達だと、思ってるから。」


この気持ちは恋じゃない。


「私…他に好きな人がいるの。」


一瞬、ナギくんが目を見開いて驚いたような表情をしたが、すぐにいつも通りの優しい顔に戻る。