かなり簡略的だが、今のお兄ちゃんの状態についてハルマに説明をした。お兄ちゃんのプライバシーにも関わることだし、記憶喪失になったことや、その原因についてのみだ。
ハルマは先程と打って変わって深刻な表情をして話を聞いていた。


「そうか、休みの間にそんなことが…」

「うん、だからなんとかしてお兄ちゃんに思い出させたくて。私のせいだし…」

「…記憶を戻す必要、あるか?」

「え?」


ハルマの言っていることが全く理解できず、固まってしまう。記憶を戻さなくてもいいってこと?まるで意味がわからない。


「もうガキじゃねえんだから、記憶が戻らなくたって困ることはねえだろ。」

「でも、私たちは家族なんだよ?昔のことを何も覚えてないなんて、悲しいよ。」