お兄ちゃんは私の言葉を聞くと、食べるのをやめ、ゆっくり目を見て話し始めた。


「俺は、お前のことを迷惑だと思ったことなんて1度もない。」

「……うん。」

「誰がなんと言おうと、お前は大切な俺の妹だ。家族に優しくするのは当然だし、アサに会えるのをすごく楽しみにしてる。なんなら、俺の時間をお前に全部使ったって足りないくらいだよ。」

「……それは言い過ぎじゃない?」

「そんなことない、それくらいお前のことが大事だってことだ。いい?他人の言葉に振り回されなくていいんだよ。」

「わかった、ありがとう。」


ずっと胸につっかえていたものが取れて、なんだか気分が晴れ晴れした。また何か言われるかもしれないけど、お兄ちゃんは私が大切だし、私だってお兄ちゃんが大切だ。誰になんと言われようとその事実は変わらない。


「なんかお腹空いてきた!すみませーん、デラックスパフェください!」

「………母さんたちに夕飯いらないって言っておくんだよ。」