「別に、お兄ちゃんとは何もないよ。」

「お前が暗い顔すんのは大体あいつが原因だろ。そんな下手な嘘、オレには通用しねえよ。」


伊達に長く一緒にいたわけではない。私の考えはわかっているようだ。ハルマ相手に上手く嘘もつけないし、今更誤魔化すのも難しいだろう。
しかし、お兄ちゃんのことを正直に伝える気にはなれなくて、口ごもってしまう。


「…別に無理に聞かねえよ。ただ、あいつになんかされてるならすぐに言えよ。」

「お兄ちゃんが酷いことなんてするわけない!……私が悪いの。」

「どういうことだ?」


つい感情的になって余計なことまで言ってしまった。これ以上隠すことは出来ないだろう。