「今度からはかっこつけないでココアとか頼んでいいからね。」

「……ん。」





そこそこ良い値がする店なのに、ハルマは奢ると言って聞かなくて、素直に厚意に甘えることにした。


帰り道、たわいもない話をしている時に、ふとお兄ちゃんのことが頭に浮かんだ。
出来るだけ考えないようにしてたが、やっぱり無理だった。私の顔色が曇ったのを察したのか、ハルマの表情が少し険しくなる。


「あ、それでさ…!」

「……ヨルか?」


まさか悩みの原因まで当てられるとは思わず、黙ってしまう。これでは肯定しているようなものだ。なんとか誤魔化そうと声色を明るくして答える。