家に帰ったらお兄ちゃんがいるし、早く帰ろう。
すぐに帰る準備をして下駄箱まで早足で向かう。靴を履こうと正門の方を見ると、見慣れた人影があった。


「ハルマ、誰か待ってるの?」

「……はあ、ようやく来たのかよ。」

「え、私?約束とかしてたっけ?」


ここ最近メールでのやり取りなんてしてないし、朝だってそんな話はしていなかった。もしかして誰かと勘違いしてる……?


「どうせ暇だろ?ちょっと付き合えよ。」

「えぇ!?いや、私今日は早く帰りたいんだけど……」

「そんな時間かかんねえよ。」


勢いに負け、つい首を縦に降ってしまった。
いつもハルマが私を呼び出すのは急で、全く意図が読めない。せめて事前に言ってくれればいいのに……