「たしかに秘密基地も大切だけど、俺が1番大切なのはアサだよ。怪我して欲しくないんだ。それは父さんと母さんも一緒だよ。」
「……」
「それに、もし秘密基地が壊れたってまた作ればいい。どんな場所だって俺たちは一緒だろ?」
「……じゃあ明日、絶対に一緒に秘密基地に行ってよ。」
「道が危なくなかったらね、それまでに準備しておこう。」
そういうと布団をはぎ、私の手を引いてリビングへと連れて行った。
後日秘密基地へ向かうと案の定壊れていたが、また2人で一から作り直し、以前よりも立派なものになった。
大きくなるにつれて2人とも忙しくなり、なかなか行く機会がなくなっていってしまった。久しぶりに向かうけれど昔のままだろうか、期待に胸をふくらませながらお兄ちゃんと山道を歩いた。
