｢……大丈夫。あと、名前、アサでいいよ。｣

｢わかった。アサ、良かったら今までのこと教えて欲しいんだ。
記憶はないけど、君のことを一目見た時にきっと俺にとって特別な人だって思ったんだ。｣


頑張って抑えてた涙が出てきてしまう。
特別な人なんかじゃないよ、お兄ちゃんのこと危険な目に合わせたのは私なのに。私がいなければこんなことにはならなかったのに。
もう私は、お兄ちゃんのそばに居ていい人間じゃないんだよ。


｢…ちがうよ、お兄ちゃんは…っ私のせいで記憶なくしちゃったの！私が不注意だったから…っ！｣