お兄ちゃんはベッドの上で先生の話を聞いているようだった。身体中に包帯が巻かれている様子が痛々しい。姿が見えることに安堵して、力が抜けてしまい倒れそうになるのをお父さんが支えてくれる。


「お兄ちゃん…!」


急いで駆け寄るも、なんだかお兄ちゃんの様子がおかしい。どこかよそよそしい態度で、口数も少ない。もしかして、とうとう私に愛想が尽きてしまったのだろうか。当然だ、不注意で車に轢かれかけて、そのせいで自分まで大怪我を覆ってしまうなんて。


「お兄ちゃん、本当にごめんなさい。私のせいで怪我しちゃって……」


お兄ちゃんに突き放されるのではないかと、とても恐ろしくなる。それでもこのまま黙っているわけにはいかず、頭を下げて謝罪する。しかしお兄ちゃんは無反応で、本当に見放されてしまったんだと目頭が熱くなる。