両親の優しい言葉に涙が出そうになる。怪我をしていることでメンタルが弱っているのか、今日は気持ちが不安定で、すぐに感情が声に出てしまう。
私たちが涙ぐんでいると、突然扉が開いた。
そこには先程出ていった看護師がいる。


「お兄さんがお目覚めになったようです。」


その言葉を聞くやいなや両親は立ち上がり、兄の病室へ向かおうとする。私もつられて立ち上がろうとするが、身体が痛くてどうにも上手くいかない。お母さんや看護師さんにも止められたが、この目でお兄ちゃんの無事を確認しないと安心なんて出来ない。
絶対に行くと駄々をこねるとお父さんが静かに身体を支えてくれた。お母さん達も観念したようで、私の歩幅に合わせてゆっくりと進んでくれる。


長い廊下を歩き、やっとお兄ちゃんの病室への着いた。