お母さんはポロポロと涙を流し私を抱きしめる。あまり寝ていないようで目の下にクマがあり、胸が締め付けられる。お母さんには幸せになって欲しいのに心配をかけてしまった。お兄ちゃんまで巻き込んで……
申し訳ない気持ちになり、母の背中をそっと抱きしめ返す。


「私はもう大丈夫だよ。お兄ちゃんは…?」

「……ヨルはまだ目が覚めてないんだ。呼吸は安定しているからもうすぐ目が覚めるらしい。」


お母さんは泣きすぎて上手く話せないようで、代わりにお父さんが答える。よく見てみるとお父さんも顔色が悪く、やはりろくに休んでいないのだろう。


「お父さん、平日なのに仕事は大丈夫なの?ごめんね、私のせいで…」

「何言ってるんだ、子供たちが怪我をしたのに仕事なんて出来るはずないだろう。
事故だって相手の不注意でアサのせいじゃない。アサが悪いことなんてないよ。」