「お兄さんは無事ですよ。もうしばらくすれば面会も可能です。」

「ほ、本当ですか…?怪我とかは…」

「…大きな怪我もありますが命に別状はありません。時間が経てば治りますよ。」


優しい口調で宥めるように説明を受け、ほっとする。私が冷静ではないため怪我の詳細などに言及はしていなかったが、まずは生きているということが知れた。


しばらくすると先程の看護師と医者、それから両親が部屋に訪れた。お母さんは涙目で今にも私に飛びついて来そうだが、医者の検診があるためそうもいかない。一通り身体を診てもらった後、ようやく両親と話すことが出来た。


「アサ…っ!無事でよかった……」

「お母さん…」