次に意識を取り戻すと、目の前にあったのは真っ白な天井だった。
すぐには状況が理解できず、起き上がろうとするも身体が痛みつい声を上げてしまう。部屋には私以外の人間はいないようで、妙に静かだ。
そこでふと自分の腕に点滴が打たれていることに気づく。そうだ、ここは病院だ。私は車に轢かれかけて、それでお兄ちゃんが……
事故のことがフラッシュバックし冷や汗が止まらない。お兄ちゃんは無事なのだろうか、とりあえず人を呼ばないと。
鈍い痛みに耐え、腕を伸ばしてナースコールを鳴らす。数分もしない内に2人の看護師が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃんは無事なんですか…!?」
看護師が口を開く前にまくし立てるように話してしまった。1度私に落ち着くように促したあと、1人は医者を呼びに、もう1人の女性は点滴を変えながら話してくれた。
