「こら、集中して。あと5分で休憩だから。」

「もうわかんないよ〜…」


自分で言い出した事とはいえ、やはりほぼ一日中勉強するのは辛いものがある。
定期的に休憩を取ってくれるおかげで体力的には余裕があるが、難問に当たると心が折れてしまいそうになる。コツコツ努力をしてきたつもりだったがいざ試験が近づくと不安な気持ちが勝ってしまう。
せっかくお兄ちゃんが教えてくれてるのにこんな気持ちになるなんて。そう頭ではわかっていても簡単に吹っ切れるわけではない。


「……じゃあ、ちょっと早いけどもう休憩にしよう。カフェでも行こうか?」

「え!いいの!?行きたい!」

「急に元気出したな。さっきまでのは嘘だったの?」

「疲れてたのはホント!早く行こうよ、閉まっちゃう!」

「まだお昼前だから閉まらないって。俺は玄関で待ってるからゆっくり準備してきな。」