溺愛サバイバル!?


少しでも自分を変えたいと思って、次の学校では本当に人を好きになろうと努力した。毎日毎日部活で友人たちと切磋琢磨し合い、ついに決勝まで上り詰めることができた。
これは僕たちの努力の結晶だ。心の底からこのチームを大切にしていたつもりだったし、やっと普通になれたんだって思ってた。


そう思ったのもつかの間、また引越しを告げられた。せっかくここまでこれたのに。ここから離れてしまったら、僕はまた忘れられてしまうのだろう。
真っ先に思い浮かんだのは、保身の気持ちだった。結局僕は何も変わっていなかったんだ。


半ば自暴自棄になっていた。あれだけ熱中していたサッカーを始める気にもなれなくて、もうどうでもいいと思っていた。
彼女に出会うまでは。