そう叫ぶと、感情が昂ってしまったのか再び泣き始めてしまう。泣き止んで欲しいのに、どうしても上手くいかない。


「…じゃあ、オレが勝たせてやるよ。」

「なにそれ…同情なんてしないで!」

「同情なんかじゃねえよ。同じチームなんだから、オレの勝ちはお前の勝ちだろ。」


自分でも意味のわからない理論だと思ったが、他にこいつを泣き止ませる方法が分からなかった。


「今日はたまたま負けたけど、次は絶対負けねえ。約束してやる。指だせ。」


アサはまだ不服そうにしていたが、オレの気迫に気圧されたのか、そろりと小指を差し出す。そのまま指切りげんまんをして、半ば無理矢理約束をこじつける。