昔、1度だけアサと同じクラスになったことがあった。春休み中ずっと祈った甲斐があったのだろうか。バスケで初めて優勝した時より嬉しくて、帰り道溝に落ちたのを覚えている。


初めての体育祭。別にオレは勝ち負けとかどうでも良くて、当日も特にやる気はなかった。なんなら早く終わってバスケしたかったし。
でも体育祭が終わってすぐ、オレは後悔することになった。
オレたちのクラスはまあまあ強かったが、1年生ということもあり流石に3年相手に勝つことは出来なかった。


全ての試合が終わったあと、あいつは泣いていた。別に運動部だったわけでもないし、そこまで本気だと思っていなかったのですごく驚いた記憶がある。


「お、おい…なんで泣いてんだよ。」

「…ぐすっ、なんでもない。」

「何でもなくないだろ……」