ハルマの姿が見えなくなり、特にやることもないので帰ろうと振り返ると、そこにはナギくんがいた。
「あ、ナギくん。」
「お疲れ様、優勝おめでとう。やっぱりハルマくんは速いね。」
「ありがとう…って言っても、私はほとんど何もしてないんだけど。」
「いや、君は誰よりも応援してたでしょ?きっと、ハルマくんが勝てたのは君のおかげだよ。」
「いや、そんな大袈裟だよ…」
「ううん、大袈裟なんかじゃないよ。きっとハルマくんは君のことを何よりも大切に思ってる…僕よりも。」
「…?」
「……いや、勝ったらお願いを聞いて欲しいなんて言っておいて負けるなんて、我ながらダサいなって思って。」
「そういえば、お願いってなんだったの?勝ち負けに関係なく、ナギくんのお願いだったらなんでも聞くよ!」
