今日1番の大声が出たはずだ。もう今まで散々目立ってきた。最後に少しくらい注目されたことを気にするほど私のメンタルは弱くない。特定の名前を声には出さず、心の中で2人のことを応援する。
ラストスパート、ハルマは更に速度を上げてついにナギくんを追い越す。そのまま少しの差を付けて1位でゴールテープを切る。
クラス全員が観客席から飛び出し、ハルマの元へ走っていく。
男友達に背中を叩かれたり、持ち上げられたりもみくちゃにされるハルマの様子を少し遠くから眺める。
ハルマは私の視線に気づいたようで、友人たちを軽くあしらうと私の近くに来た。
