ハルマは更にスピードを上げ、どんどんとナギくんに近づいていく。
ナギくんも負けられないようで、追いつかれないようスピードを上げ続ける。2人が熱戦を展開し、観客では野次や歓声が飛び交う。他の選手はそっちのけで、もはや2人の頂上決戦のようだ。
40m
30m
20m
ゴールまでの距離がどんどん短くなっていく。2人はほとんど並んで走っており、どちらが勝つのかわからない状況だ。
私の手汗で少し湿ってしまったハチマキを握りしめる。
どちらも応援したい。しかしクラス対抗という名目のため、表立ってライバルのナギくんを応援することはできない。もどかしい気持ちを抱えながらも、黙って見ているわけにはいかない。
「がんばれーーーーーーー!!」
