溺愛サバイバル!?


「うん、あんまり時間ないからここでもいいかな?」

「もちろん、大丈夫だよ。」


そう言うとナギくんは頭に巻いた自分のハチマキをほどき、ちらと私の手にあるハチマキに目線をやった。


「2つも持つのは大変かもしれないけど、僕のハチマキも君に持っていてほしいんだ。」

「大変だと思うなら渡さない方がいいだろ。」

「ちょっとハルマ……!」


静かにしていると思ったら失礼なことを言い始め、慌てて制止する。優しいナギくんは苦笑しているが、流石にこれは見過ごせない。


「大丈夫だけど……どうして?」

「アサちゃんが、僕にとって大切な人だからだよ。」

「…えっ!?」


まさかそんなことを言われるとは思わずつい顔が赤くなる。
まさか、学校のジンクスのことだろうか?他のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れてしまっていた。
ハルマがハチマキを渡してきたのは指切りげんまんみたいな、約束の誓いのようなものだろう。