溺愛サバイバル!?


私が返事をする前にユイは私の背中を押して前に突き出す。
抵抗する間もなくハルマに腕を掴まれ、連れ出される。歩いている間は2人とも無言で、目も合わせない。
着いたのは校庭から少し離れた木陰で、人の姿は見えるがみんなリレーの準備に忙しく、私たちの声は聞こえないだろう。


「……なんの用?そろそろリレー始まるから要件あるなら早くしてよ。」


ついトゲトゲしい言葉になってしまう。
ハルマはバツの悪そうな顔をして、目をそらす。


「さっきの…悪かった。お前が心配してたのも分かる。でも絶対負けられないんだ。
ちゃんと足見てもらって許可も下りた。絶対無理しないって約束する。」

「……もう無理してるでしょ。それは意味のない約束だよ。」

「信じて貰えないのはわかってる。でも約束を破ることは絶対にない。」


ハルマも意志を曲げるつもりはないようで、このまま話しても平行線だ。