図星をつかれたようで、ハルマは目を伏せて黙る。ハルマの右足は一目見てわかるほど腫れていた。無理をして試合を続行したから当然だ。
図体ばかり大きくなっても怪我を隠す癖は子供の頃から変わっていなくて、懐かしい気持ちになる。
「これ以上走るのはよくないし、リレーは補欠の人に……「試合には絶対出る。部活引退したしちょっと足壊したって問題ねえ。」
「いいわけないでしょ!これから二度とバスケしないつもり?まずは治すことを優先してよ。」
「出れない可能性があるってだけだ。しばらく安静にして腫れが引けば走れる。リレーまで時間もあるしな。」
「っ…!でも無理することに変わりはないでしょ!?そんな状態で勝ったってみんな嬉しくないよ…!」
「…………」
ハルマはそれ以上何も言わず、俯いたままだ。
反論すらされないことに苛立ちを覚え、そのまま保健室を飛び出す。
