試合後、ハルマはすぐに先生たちに連れられ、MVPにも関わらず最期まで残ることは出来なかった。
おそらく保健室に向かったのだろう。私は盛り上がるクラスのみんなのわきをそっと通り抜け、保健室に向かう。
◆
途中でスポーツ飲料水を買い、保健室に向かう。コンコンと2回ノックをするが、中から返事は聞こえてこない。
誰もいないのかな……?
そっと扉を開けて中を覗く。
「失礼しまーす……」
あれだけ大人数で連れ添ったはずなのに、保健室にいるのはハルマ1人だった。
ソファに浅く腰をかけ、こちらを見ている。
「1人なの?先生たちは?」
「一通り治療は終わったからな。安静にしてろって言われた。
体育祭の日に1人の生徒の面倒付きっきりで見るほど暇じゃねえんだろ。」
