「ハルマ、負けるな!」
考えるより先に言葉を発していた。
クラスがどうとか、優勝がどうとか、そんなのどうでも良くてただハルマには絶対に負けて欲しくない。
今までで1番大きな声を出した気がする。周りは一斉にこちらを見たし、すごく目立ってしまった。でも、そんなの些細なことだ。全く気にならない。
ハルマが一瞬こちらを向く。
すぐに正面を向き、また真剣な顔つきになる。心做しかさっきより足取りが軽やかに感じられ、表情にも余裕がでてきた。
味方からのパスを受け取り、次々とシュートを決めていく。ハルマだけですでに10点は超えているだろう。
負傷者がいたにもかかわらず、終盤で追い上げていったことで無事に私たちのチームは勝利した。
