「ナギくんこっち来てるね〜お題なんなんたろう?」

「う〜ん、寝癖がついてる人とか?」

「体育祭の日にそんな人探すの難しいでしょ!」


ユイと軽口を交わしているとどんどんナギくんが近づいてくる。


「ねえ、こっち向かってきてない?」

「友達がいるんじゃないの?」

「いやいや、この辺ナギくんの友達いないって!やっぱりアンタじゃないの!?」

「いやほんとにそれはないって!」


ユイと言い争っていると、いつの間にか息を切らしたナギくんが目の前まで来ていた。
周りの女子は何か騒いでいるが、その声は一切耳に入ってこない。私の意識は目の前のナギくんに集中していた。