1人、また1人と名前が呼ばれていき、とうとう最後の1人になった。


「続いて最後になります…………如月ナギさん!」


その名前が呼ばれた途端、あちこちから黄色い歓声が上がる。となりのユイは苦笑いをしてこちらを見る。


「うわぁ、ナギくんかぁ。大荒れの予感…」

「はは、たしかに…」

「そういえばアサ、バイト先一緒なんでしょ?もしかしたら選ばれちゃったりして!」

「それは流石にないよ。」


ユイは納得がいかなさそうにむくれる。
確かにバイト先は一緒で、彼がフレンドリーなこともあり仲良くさせてもらっているが、学校ではそうもいかない。
ナギくんはいつもたくさんの人の中心にいて、私が気軽に話しかけられるような人ではない。ましてや体育祭という大きなイベントで目立つ彼と話すなんて絶対に無理だ。