斑くんの激重愛に抗うためには



「ごめんね、斑くん」



 彼の襟足から後頭部にかけて、ゆっくりと撫でた。

 ピクンと反応した後、少しずつ顔を上げてくれて……。


 ようやく、目が合ったような感じだった。



「……あんた、バカだろ」

「あんたじゃないよ」

「……、……小鳩」



 目元を赤くして、斑くんは私を呼ぶ。



「バカなのは、俺か……」



 そう言って離れていこうとする。

 ここで受け入れるのはやめる。違うよ、って教えてあげるんだ。


 ぐ、と首を伸ばして。

 触れるだけのキスをする。



「痛いのは嫌だから、優しくして……?」



 そうじゃないと、仲直りにならないでしょ……?



「っ、……悪かった」

「うん」


「怖かったんだ、ぜんぶ……」

「そっか」


「……、きだ……」

「うん……」



 ──ゆっくりとかかってくる体重を感じて、静かに目を閉じた。