斑くんの激重愛に抗うためには


 広げられた肩口へ、斑くんの歯が突き立てられる。



「い゛っ……」

「はは……、あんたはいつも俺の知らないところで行動するよな。友達作って、仲深めて、遊んで……全部、俺の見てないところで」



 噛まれた傷口からじんじんと熱が溶け出す。後から痛みもやってきたけど、どこからなのかもわからなかった。

 一色と勝手に会ったから怒ってるんじゃないの?

 なんでそんなこと言うの……。



「ようやく手に入れられると思ったのにな……」

「っ……、いた」

「そう、もっと痛がれよ。あんたに痛みを与えてるのは誰だよ」



 斑くんの唾液がしみる。血液と混ざる。

 だから強引に唇が奪われると、血の味がした。


 背中を嫌な感覚が走る。でも不快感じゃなかった。……むしろ、心地よかった。

 痛みが何かに変わっていく。何かを、認識したくない。