斑くんの激重愛に抗うためには






「きゃあああっ!?」



 女子の悲鳴が、突如授業中の眠気を吹き飛ばした。

 何事かと目を向けた窓の外。そこには、ありえないものがあった。



「……えっ、ここ、よんかい……」



 四階の教室。その外側に、人影。

 制服姿の男が、にたりと笑っている。


 一色だった。


 細い窓枠に足をかけ、まるで重力を無視したかのようにバランスを取りながら、平然とこちらを見ている。

 クラスがざわめく。誰かが怯えて窓から離れ、誰かがスマホを構えようとして止められ──。



「ちょっと大事~な彼女ちゃんに用事あるんだよね」



 と、床に降り立った一色が軽い足取りで私に一直線。

 がしり、腕を取り、