「ほら、口開けろ」
「あー……ん」
「はは、汚すのが上手だな。横に付いてる」
夕食のオムライスはとろとろ玉子だった。斑くんに抱えられるみたいに前後で座り、後ろから与えられる。
口内に入りきらず、唇の端に付いた玉子を斑くんが舐め取ろうとしてくれた。
ここのところ笑顔も増えてきて、毎日楽しそうな斑くん。
なんかもう、それだけで幸せだ。
……ただ、この関係。
名前を付けるなら何になるのだろうか。
ギリギリ唇に付かない位置を、斑くんの舌が這う。
そのとき間近で目線を絡まって。そうなるのが当然というように、自然とキスをしていた。
「……物欲しそうな顔してた」
「っ、う……」
斑くんにキスされると……ダメなの。
すぐ気持ちよくなっちゃって、力が抜けていく。



