一方的なのに、優しくて。だけど確実に心臓を握りつぶされるようで。

 名前を呼ぶ余裕もないまま、何度も唇が重なる。


 舌先が触れた瞬間、頭の中で火花が散った。甘いのか熱いのかわからないものが、舌先から脳へ、心臓から指先へと広がっていく。

 こんなの、抵抗できるわけがない。

 何もペナルティになっていないから。


 一緒の呼吸で、次第に肩の力が抜けて。 ソファに身を預けたら、後頭部へ手が回る。

 その手がやけに熱くて、じわっと熱が溶けた。

 最後の三回。額、頬、首筋……と、順番にキスが降りてきた。



「はい。学校の分、終わり」

「ふ、ぁ……、うん」



 そうなのだ。

 今日はまだ、終わっていない。


 声も、意識も、快楽も。全部流されて、崩される。

 そのまま抱きしめる力だけが、肌に張り付いて離れなかった。