「で……でしょっ! 斑くんもトイレに入っていくの見てたくせにっ」

「どうだろうな。俺の見てない隙があったのかもしれない」



 あるわけないよ! 休み時間毎に教室まで来てたんだから。


 そのまま廊下からリビングへ。片手を引かれて、ソファへ落とされる。身を起こそうとした瞬間、目の前から影が降りてきた。



「俺が何もできなかった授業数分も足して、八回だな」

「はっ、はち!? ちょっと多いよう、な……っ」



 次の瞬間、唇がさらりとなぞられた。

 離れ際、ちゅ……とわざとらしくリップ音を鳴らされる。



「これで一回だけど、多い?」



 ずるい。私がほしがるのを、わかってる。



「んん、ふ……」

「はは、そうやって、俺でいっぱいになっとけばいーよ、」

「っ、は……」