視界の端で進藤くんがくすっと笑うのが見える。こっそり奥歯を噛み締めた。

 あんなことがあっても堂々と話しかけてきたり、まだ首を突っ込もうとしてきたり、メンタリティの秘訣を教えてほしい。


 この紙切れが斑くんにバレたら、私と進藤くんのどっちかが学校に来られなくなるんだよ。

 斑くんが最初に進藤くんへ標的を向けたとして、のらりくらりと回避するのが目に見えている。結果私が監禁されて、今以上に自分ですることが減りそうなのだ。


 だから、せめて学校には通っていたい。

 人生で接する人間が斑くんだけになったら、いくら好きな人でも、嫌。

 健全じゃないと思うんだよね。


 というわけで、進藤くんからの紙切れは当分無視とさせていただきます。