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『あのあと何があったの?』


『どこが決め手?』


『ちゃんと告白された?』


『楽しめてる?』



 休み時間が明けるごとに増えていく紙切れ。

 回を追うごとに図々しさが増していき、どんどん私のしかめっ面が露骨になっていく。



「小鳩、帰るぞ」



 まだホームルームも終わってないのに斑くんは迎えに来た。勝手に教室へ入ろうとするため、先生が力ずくで押し退ける。

 こんな感じで捨てる前に現れるから、机の奥に隠すしかなくなるんだ。


 ちょっとでも私が進藤くんに感心を向けようものなら、頭を回転させられて「こっち見とけ」って怒られるんだもんなあ。

 今日だけでだいぶ首を痛めた気がするよ。



「斑くん、もう少し待っててください!」



 手のひらを突き出し、ストップを告げる。

 不機嫌そうにされたけど、おとなしく窓から私を監視するのにとどめてくれた。