「仕方ないな……今日だけ特別」
「あ……」
再び顔が近付いてくる。
反射的に目を閉じると、より感覚が研ぎ澄まされた。
「んん、っ……」
唇を甘噛みされて、ちゅっ、ちゅと音を立てる。
遠ざかったとしても、どこか一部分は触れ合ったままで。完全に離れるまでは一回だと教え込まれているみたいだった。
気持ち、い……。
「あんたの欲を満たすのも、世話の内だからな」
「っ、ふぁ、は……」
「でも、嫌がらせってことも忘れんな」
じくじくと体の芯が熱い。
ここまでは、解消してくれないってことなのかな……。
ぎゅうっと私を抱き枕にして眠る体勢に入る斑くん。
私は眠れそうになかったし、実際眠れなかった。



