怪しむのに夢中だった私は、斑くんの行動に気を配れていなかった。

 大きな手のひらは私の下腹部へ滑り落ち、ゆっくりと圧をかけ始める。



「ひっ……!? なにしてっ……!」

「いいよ出しても。掃除するし」

「やめてください、やだっ……ぅあ、ばかばかばかっ!」



 全く言うことを聞いてくれない。さらに圧力を強めてきた。

 この人、本気で私を失禁させようとしてる……!


 どう考えても正気じゃない。ド変態の域である。

 だから絶対に負けるわけにはいかなくて、必死に筋肉を締める。



「ねええトイレっ、トイレ行くっ!」

「見られてもいい?」

「やだ見ないで! 目瞑って耳塞いでてください!」



 頭の中は、一面トイレだ。

 トイレトイレトイレトイレトイレトイレ。え? トイレって本当にトイレって名前だった?

 と、ゲシュタルト崩壊も起こした。