ボストンバックに手を伸ばす。その際、四つん這いになったら。

 後ろから斑くんに捕まった。

 お腹に回った腕を見て、ん? と首を傾げる。



「な、なんですか、これは……?」

「風呂場に持っていこうと思って」



 え、いや歩ける……。

 しかし口を開くより先に軽々持ち上げられてしまう。

 まさかこの距離も一人で移動させてもらえない?


 呆気にとられている内に視界はずんずん脱衣場へ進む。たどり着いたことにより体が下ろされ、ようやく着地した。

 さてお次に、斑くんの指が制服のボタンを外して……って、ちょっと。



「待ってください? 一人で脱げますよ?」

「言ったはずだ。俺が全部やる」



 止めたけど、力勝負であっさり負けた。

 シャツが前開きになって、キャミソールが丸見えだ。

 う、嘘でしょ。下着だけじゃなく、裸まで見られちゃうの?


 さらにそこへ、緊急事態が発生。

 実はほんのり我慢してたんだけど……。


 トイレに、行きたいんだよね。