それになんとなく、斑くんの考えてることも見当がつく。

 要は、私を遠ざけようとしてたのが失敗したから、逆に近付きすぎるくらい一緒にいようってことなんじゃないかな。


 まだ守られようとしてるんだ。

 あーあ、情けな……。



「ん。で、飯あるけど。風呂入ってからにする?」

「あっ、そうですね。まだお腹空いてないので先にお風呂……、はさすがに、外して……?」

「あぁ、いいよ。外す」



 ほっ。やった。

 足首のベルトを取ってもらう。これだけでも解放感が段違いだ。

 次は手首だと思って、後ろを向く。固く結ばれたネクタイはあっという間に解かれて、自由に動けるようになった。


 斑くんもそこまで鬼じゃなかった。

 拘束がないなら、ただ斑くんの家に泊まれるだけだもんね。