「へー……?」
斑くんも心なしか見られて満足そう。えっ、需要と供給が一致した?
そうだよね、私がいるってわかってるのにその格好で来るということは、見られたいんでしょ!
……はっ! しまった、話が逸れている!
もしかしてそういう作戦!?
「ま、斑くん! これは一体どういうことですか!」
足を上げてアピールする。
顔を見て睨んだ……ものの、視線は段々と下に落ちていく。
不可抗力だ。腹筋の溝が誘惑してくるんだって……。
「おい、どこ見てんの?」
ギシ、ベッドが軋む。太い腕はシーツに沈んだ。
腹筋、目の前。
「ぬあ、」
「……こっち見ろって」
頬を両側から挟まれて、無理やり上を向かせられた。
斑くんの髪の毛から落ちてくる水滴が、私の顔を濡らす。



