心に不安が宿ってきた。念のため、膝を立てて座っておく。ちょっとでも動きやすいように。

 斑くんを疑うわけじゃないけど、一応ね?


 そこへ、ガチャッとドアを開く音が聞こえてきた。

 緊張が走る。



「あ……起きたんだ?」

「っまだらく……うわあ!?」



 問い詰めようとした私の目に飛び込んできたのは──適度に筋肉が付いた裸体。


 お風呂上がりの、上半身裸にタオルで髪を拭く斑くんが現れた。

 言おうとしたことなんて全部消えてしまう。



「ふっ、服着ましょうよ……っ!」

「こういうの、耐性ない?」

「いやっ、逆で、めっちゃまじまじ見ちゃいますって……!」



 いじらしさの欠片もなく、顔を背けるどころか釘付けだ。

 だってめっちゃ良い体してるんだもん。服の下にこんなもの隠してたとか、卑怯だよ!