斑くんが最強だなんて知ってたけど、何もできなかった自分が悔しい。

 また斑くんの拳に傷を増やしちゃったんだ。


 私より一回りくらい大きな手の中に、私の手を沿わせて。

 気付かれてないのをいいことに、指の一本一本を深く絡めた。

 手を繋いで帰ってたときはそれどころじゃなかったから、今の内に堪能させてもらう。


 手を繋ぎたいし、ぎゅってしたい。

 笑顔にしたい。幸せにしたい。


 そう思うのが当たり前になりすぎてて、全く自分の気持ちをわかってなかったみたいなんだけど。


 なんかね、私。

 ……大好きみたい、斑くんのこと。