私と一緒にいることを極端に嫌がっていた。
だけど、一緒にいるとどこまでも優しかった。
私が近くにいるせいで、斑くんを困らせていたんだとしたら。
……私はなんてことをしていたんだろう。
ふっと体から力が抜けた、刹那──聞こえるはずのなかった声が耳に飛び込んできた。
「──おい。小鳩を返せ」
入り口に顔を向けた一色の瞳に光が宿る。反応が私の聞き間違いじゃないことを証明していた。
斑くん……来ちゃったんだ。
「マダラ! 待ってたよ!」
一色の興味はひとたび斑くんに移り、私を放ってテーブルを踏み台に飛び出していく。
その隙に体勢を立て直そうとしたら、今度は進藤くんが隣へ座ってきた。
ぬ、抜かりないなあ……。



